毛糸の素材には様々な種類があります。
しかし、特に編み物を始めたばかりの人は「素材が違うとどんな変化があるんだろう?」「どれぐらいのグレードの毛糸を買えばいいのかな?」なんて悩んでしまうのではないでしょうか。

私もよく分からずに買って、肌触りがイメージと違った…なんて失敗をたくさんしました。
そこで、この記事では毛糸の種類を素材ごとに一覧で紹介していきます!
素材の特徴を知って、編みたいアイテムごとに選ぶことができるようになると、いままでよりも編み物が楽しくなりますよ。
ぜひお役立てください♪
毛糸の種類は素材で3分類できる!
毛糸玉のラベルやオンラインショップで毛糸の素材に言及するときは、原料となる毛や植物の名称が使われることがほとんど。
しかし、もっと大きなカテゴリで毛糸の種類を見てみると、動物性・植物性・合成繊維の3つに分けられるんです。
- 動物の毛が原料の毛糸
- ウール、アルパカ、カシミヤ、モヘアなど
- 植物の繊維を原料にした毛糸
- コットン、リネン、レーヨンなど
- 合成繊維で作られた毛糸
- アクリル、ナイロン、レーヨンなど
聞いたことのない素材名を見つけたときは、どの分類に当てはまるのかを調べてみると、大まかな糸の特徴を掴むことができますよ。
毛糸は素材の種類ごとに特徴がある
毛糸の原料になる素材によって特徴や価格は異なりますが、大分類ごとに大まかな性質は決まっているので、素材選びの際は意識してみましょう!
素材 | 動物の毛 | 植物の繊維 | 合成繊維 |
---|---|---|---|
保温性 | ◎ | ✕ | 種類による |
伸縮性 | ○ | ✕ | 種類による |
吸水性 | △ | ○ | ○ |
扱いやすさ | △ | ◎ | ○ |
価格 | 種類による | ○ | ◎ |
防寒できるものを編みたいときは、動物の毛糸または合成繊維(アクリル)を選びましょう。
反対に、季節を問わず使えるものを編みたいときは、植物の毛糸または合成繊維(ナイロン・レーヨン)を選びます。
価格は合成繊維が最も手頃で、動物と植物の毛糸は原料となる素材によって変動しますよ。
「動物の毛を原料にした毛糸」の特徴と種類
羊毛やアルパカ、カシミヤなどの動物性の毛を原料として作られた毛糸は、柔らかい風合いと保温性が大きな特徴です。
- フワフワとした肌触り
- 保温性が高い
- 伸縮性がある
- 扱いや手入れに注意が必要
若干の伸縮性があるので、棒針・かぎ針どちらでも編みやすい傾向もあります。
ただし、強い力が加わると切れてしまったり、洗濯の方法に気をつけないとフェルト化してしまったり、扱いに注意が必要な部分も。
生き物からいただいた毛を使っているので、丁寧に優しく使うことを心がけましょう。
ウール(羊)毛糸の特徴
ウール(羊毛)は、最も一般的な動物の毛糸の原料です。
保温性と吸湿性に優れているので、冬物のニットやセーター・帽子・手袋・マフラーなどによく使われています。
染色性に優れている点も大きな特徴で、は鮮やかな色や深みのある色など、色のバリエーションが豊富な点も大きな特徴です。
また、ウール毛はしなやかで柔軟性のある繊維なので、耐久性にも優れています。
手頃な価格で購入でき、初心者でも気軽に編める素材の1つですよ。
アルパカ毛糸の特徴
アルパカの毛糸は羊毛よりも柔らかく、肌触りがよいです。そのため、敏感肌の人や毛糸アレルギーの人でも使いやすい素材とされています。
艶やかで美しい光沢があり、柔らかめの色合いの毛糸が多めです。また、毛足が長く軽量・保温・吸湿性にも優れています。
コストと品質のバランスが良いので、ウールよりもワンランク上の素材で長く使えるものを編みたい人に重宝されています。
カシミア(山羊)毛糸の特徴
カシミアは、風合いが非常に柔らかい毛糸です。肌触りが良く、とても快適な着心地の作品を編むことができます。
繊維が細くて軽量なので、身体に負担をかけずに着用できる点も特徴的です。
さらに、保温性が高く暖かさを保ってくれるうえに、通気性の良さでムレにくい性質も持っています。
ただし、希少価値が高い素材のため、混紡で製品化されることが多いです。
モヘア(アンゴラウサギ)毛糸の特徴
モヘアは、繊維が細くてしなやかで、非常に柔らかい手触りの毛糸です。
また、光沢感があるため、編み上がった製品が高級感があります。軽量で、保温性が高い点も大きな特徴です。
ただし繊維の細さから糸が切れやすいという問題があり、扱いには注意が必要です。
また、アンゴラウサギの毛が限られた量しか得られないため、価格は高めになっています。
「植物の繊維を原料にした毛糸」の特徴と種類
コットンや麻などの植物の繊維を原料として作られた毛糸は、丈夫で手入れがしやすい点が大きな特徴です。
- 細くても丈夫で切れにくい
- 水洗いできるものも多い
- 伸縮性が低い
- 保温性はあまりない
水に濡れても大丈夫な素材が多く、糸自体の伸縮性が低めなので、繰り返し使っていても型崩れしにくいのも嬉しいポイントの1つです。
動物の毛とは異なり保温性はほとんどないので、真冬の防寒具にはあまり向いていません。
植物由来なので、環境に配慮しながら手編みを楽しみたい人にもオススメの素材ですよ。
コットン(綿)毛糸の特徴
コットン(綿)の毛糸は、綿花を原料として作られています。通気性や吸水性に優れていて、肌触りの良さが特徴です。
洗濯機で洗うこともできるので扱いが非常にラクで、春夏の衣料品や小物作りに適しています。
ただし、色落ちがしやすい傾向があり、特に濃色は色移りや色あせに注意が必要です。
糸の伸縮性が低いのも特徴で、動物の毛を使った毛糸とは異なる編み上がりになります。
ジュート(黄麻)毛糸の特徴
ジュートの毛糸は黄麻の茎を利用して作られます。とても強い繊維で、細くても丈夫なのでバッグやカゴを編むのにピッタリの素材です。
硬めでザラザラとした風合いなので肌に触れるものには向きませんが、ナチュラルテイストとの相性が抜群ですよ。洗濯や使い込むうちに糸が少しずつ柔らかくなっていくので、自然と愛着も湧いてきます。
編み目がはっきりと出やすいので、模様編みを生かしたデザインも得意です。
リネン(亜麻)毛糸の特徴
リネンは、亜麻から作られた毛糸です。コットンの約2倍の強度があり、頑丈な製品を作るのに適しています。
通気性に優れ、冷感素材でもあるので、夏の衣類や小物作りによく使われます。また、耐水性と速乾性もあり、クロスやテーブルランナーなど、水回りで使用する雑貨を編むのにもオススメです。
ただし、繊維が強いぶんシワになりやすい傾向もあります。濡れたまま放置するとクセが付きやすいので、保管方法に注意が必要です。
シルク糸は、カイコの繭から取れる繊維を原料として作られます。動物の毛・植物繊維のどちらとも違った特徴を持っている、高級素材の1つです。
光沢があり、しなやかで滑らかな手触りが特徴で、編み物に使うと独特な立体感も表現できます。
保温性がありながら、通気性も良いので、夏も冬も活躍してくれる素材です。
「合成繊維を原料にした毛糸」の特徴と種類
主に石油系の合成繊維を原料として作られた毛糸は、安価で扱いやすいという特徴を持っています。
- 安価で耐久性が高いものが多い
- 染色性が高いのでカラーバリエーションが豊富
- 製品によって特性が様々
- 環境への負担が懸念される
天然素材から作られる毛糸と比べると非常に安く買えるので、練習や大量に編み物をしたい人に向いている毛糸です。
鮮やかな色や濃い色の染色もできて色落ちしにくいので、カラフルな作品を編むこともできます。
化学繊維のため環境への配慮の面から嫌煙されることもありますが、最近はリサイクル素材を利用して作られる合成繊維の毛糸も登場していますよ。
アクリル毛糸の特徴
アクリル毛糸はウールに似た柔らかな質感で保温性のある素材です。天然繊維に比べると保温性はやや劣りますが、軽くて丈夫という特徴を持っています。
洗濯機で洗濯できるなど、扱いやすさも特徴の1つです。速乾性にも優れていて、水回りでの使用もできますよ。
染色がしやすい素材なので、カラーバリエーションが豊富なのも嬉しいポイントの1つ。色落ちもしにくく、低価格で手軽に入手できるため、手芸初心者や予算に制限がある人にも人気があります。
ナイロン毛糸の特徴
ナイロンの毛糸は、耐久性と柔軟性を兼ね揃えているのが特徴です。ほつれや繊維の抜けが少なく、アクリルよりも丈夫で長持ちします。
染色性も良いのでさまざまな色合いの毛糸が作られていて、ソックスやキッズウエアなど摩擦の生じやすい作品を編むのにオススメです。
熱に対しての耐性も高いですが、速乾性は他の合成繊維を原料にした毛糸と比べると劣ります。
ポリエステル毛糸の特徴
ポリエステルは、丈夫で速乾性のある合成繊維です。シワになりにくいという特徴も持っているので、いろいろな編み物作品に使うことができます。
水を吸収しない特性を持っているので、帽子やバッグを編むのにピッタリですよ。
肌触りはやや堅めなので、肌に直接触れるものにはやや不向きです。
レーヨン毛糸の特徴
レーヨンは合成繊維のなかでも特に柔らかな質感の毛糸です。綿やウールのような風合いがあり、染色がしやすいのでセーターやストールなどに使うと多彩な作品が編めます。
吸湿性が高いので、夏場は汗を吸収する涼感素材として利用されることも多いですよ。
ただし、水濡れや摩擦で繊維が変質しやすいという弱点をもっており、手入れがやや難しい素材でもあります。
まとめ
以上が代表的な毛糸の素材の種類ですが、その他にも多くの種類があります。
また、これらの素材を混紡した毛糸も多く、さまざまな特性を持った毛糸が製造・販売されています。
紹介した情報を参考に、自分の編みたい作品や用途に合った毛糸の種類を選んでみてくださいね。
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